資産運用入門(初心者向け株式投資のはなし)

預金ができたら、預金以外の資産に対する投資(資産運用)を検討してみましょう。銀行への預金のままだと、元本がなくなるというリスクはありませんが、利息は雀の涙です。一方、預金以外の資産に対して投資すると、元本が目減りする可能性もありますが、配当利率は貯金に比べて非常に大きいです。また、株主優待の魅力も満載です。安い時期に投資を行えば、価格が上がると元本自体も増えます。貯金と投資をバランスよく行うことが、資産家への近道です。

ここでは、資産運用の代表的な手法の1つ「株式投資」の入門の「いろは」のご紹介。以下の記事をご参考にしてください。

目次

1.初心者向け「株のはなし」その1 株主になるとは

2.初心者向け「株のはなし」その2 株主になるメリット

3.初心者向け「株のはなし」その3 投資は余裕資金で

4.初心者向け「株のはなし」その4 成行注文と指値注文

5.初心者向け「株のはなし」その5 (超重要)権利確定日と権利落日

6.初心者向け「株のはなし」その6 日経平均株価やTOPIXについて

7.長期間応援できると思える企業に投資しよう

1.初心者向け「株のはなし」その1.株主になるとは

世の中には色々な証券会社がテレビコマーシャルを放送しています。

株主優待という言葉も最近ではよく聞くと思います。

 

でも、株式投資って・・・

 

・やたら難しそう

・株価が上がり下がりする理由って何かわからないから不安

・大損しそう

 

こんな印象だけお持ちで、敬遠してしまっている方が多いと思います。そんなあなたに知ってほしい資産運用の代表的な手法である「株式投資」について、初心者に知っておいてほしい話をします。

 

 

〇株主ってどういう立場?どんな権利をもっているの?

 

株主は、会社の所有者(オーナー)です。たとえば、会社が株式を100株発行しており、あなたが10株保有していれば、あなたは10%所有していることになります。出資に応じた分け前を配当としてもらえます。また、株主総会においては、役員人事や、会社にとって重要な決定事項(多額の借入など)について、賛否の意思決定を行うことができるのです。

 

 

〇株主の責任や義務ってあるの?

 

重要な決定ごとについて、意思決定ができたり、分け前をもらえる会社のオーナーなのですが、仮に会社が倒産した場合に、会社が抱える負債を株主が返済する義務はありません。これを、株主有限責任の原則といいます。

 

簡単にいうと、株主は株取得のために支払った代金は、会社が倒産すると返してもらえません。株主の損はここまでです。倒産などによって会社が抱えた借金については、株主は何ら返済義務はないのです。

 

 

〇お金持ちでなくても、株主になれます!

会社は資金調達を行うために、おもに銀行からの融資もしくは、株主からの投資でまかないます。

 

会社の資金調達の手段って聞くと、大金をもっていないと株式投資できないのではないかと考えてしまいますが、会社は一人の大株主から大金を出資してもらうと会社の方針と大株主の意見が対立してしまった場合、株主に逆らえません。

 

多くの会社は、このような事態をさけようと多くの投資家に投資をよびかけて、株主になってもらおうとしています。個人投資家は、企業が好きで投資をするケースも多いので、簡単に株を手放さないということも、個人投資家に期待が寄せられる理由の一つです。

 

 

〇株主投資にはいくら必要?

会社ごとに単元というものが決められています。

 

たとえば、吉野家は100株、ANAは1,000株です(201627日時点)吉野家に対して投資をしたければ、株価(1株1,425円)x100株=142,500円と証券会社の手数料があれば投資できます。ちなみに、みずほフィナンシャルグループについては18400円と手数料だけで投資できます。(201627日時点)

 

子供のお年玉で購入できるような大企業もあります。後述しますが、証券会社の口座を開設すれば、購入できるようになります。

 

 

〇購入できる株は「上場企業」とよばれる会社

就職の人気が高い「上場企業」ですが、そもそも「上場企業」とは、会社の株式を東京証券取引所など、証券取引所において株式の売買をおこなっている会社のことをいいます。

上場会社であれば、自由に売り買いができるのですね。

 

 

逆に、上場会社でなければ、超大手企業であっても一般人は売り買いはできません。非上場企業で有名なのは、たとえばサントリーです。

2.初心者向け「株のはなし」その2 株主になるメリット

ここでは、株主になると得られるもの(株主になるメリット)についてご紹介します。

 

株主になると得ることができるものは 

・株主優待

・配当金

・株の売却益です。それぞれについてご説明します。

 

 

〇株主優待

株主優待は、カゴメの詰め合わせセットのようなお中元・お歳暮のようなものだったりQUOカードや、食事券、百貨店の割引券など、会社ごとに独自のサービスを提供しています。すべての会社が実施しているわけではないですが、毎年実施している会社が増えています。

 

〇配当金

配当は、会社が一年間で稼いだ成果である利益を、オーナーに還元するものです。みずほフィナンシャルグループの2015年の配当は1株あたり7.5円で現在の株価(201627日)が181円、配当利率はなんと、4.14%です。銀行預金からは想像できない利回りを得ることができます。

 

〇株の売却益

買った時の株価よりも、高い時に売却すれば儲かります。これが株の売却益です。逆に買った時の株価よりも、安い時に売却すると売却損となります。

 

ちなみに株価の上げ下げはどのようにして生じるのでしょうか。

株価は会社の価値を表しています。ただ、単純に会社の売り上げや利益が、昨年の2倍になったからといって株価が2倍になるというものではありません。

株価は、その時点で株を買いたい人と、売りたい人のセリで決まります。よく、株は人気投票といわれることがあります。

人気が多い企業は、業績が多少下がっても、売りたいという人がすくなければ株価が下がりにくいです。

たとえば、カゴメは、ずいぶんまえから個人投資家を増やすために株主優待で自社商品を年に2回配っています。また、株主が参加できるセミナーを実施して

個人のファンを増やしています。業績が下がっても株価がさがりにくいという成果が生まれているのです。

 

3.初心者向け「株のはなし」 投資は余裕資金で

「投資は、余裕資金で行う」ということについて、是非心がけてほしいです。

 

投資した株の株価が、購入時よりも下がっていたとしても、配当金や株主優待をもらえているから、今は株価が下がっているけど、応援している企業だから私にとっては問題ない!!

 

これくらいの気持ちでいれば穏やかに判断できると思います。

 特に初心者のうちは信用取引は注意してほしいです。

 

信用取引とは、たとえば証券会社に預けているお金の10倍の金額の取引ができてしまいます。レバレッジと呼ばれているのですが、儲けが大きい分、損する場合もかなりの金額になります。株価が下がりだすと、とても心穏やかに判断できず大損になってしまう話もよくよく聞きます。

 

 

ご自分の投資のルールが定まらない初心者のうちは余裕資金で、投資するということを心がけてくださいね。

4.初心者向け「株のはなし」 成行注文と指値注文

証券会社の口座を開設すると、株式投資をすることができるようになります。(証券会社の口座開設方法については「資産運用を始めよう(証券会社の口座開設方法)でご紹介しているので参考にしてください。

 

それでは、株式投資をしたい企業を決め、いよいよ注文をしようという際には普段の生活では聞かない2つの注文方法(成行(なりゆき)注文と指値(さしね)注文)を選ぶことになります。

 

〇指値注文は、買う(売る)値段を決めて注文する方法です。買い注文の場合、指値以下の株価になれば注文が成立します。指値以下に株価がならなければ注文が成立しません。(逆に、売り注文の場合、指値以上の株価になれば注文が成立です)

 

〇成行注文は、ほしい株数だけを指定する方法です。注文の際に値段を指定することはありません。

 

買い注文をした時点で、売りに出されているもののうち、最も低い単価で即座に購入することとなります。この注文のメリットは、指値とは異なり取引を成立させたいときに行えばすぐに取引きが成立します。一方で、想定したよりも高い(低い)単価で取引が成立してしまうリスクもあります。

 

 

購入価格(売却価格)を決めて取引をしたい場合は指値取引、取引の成立を優先させる場合は成行取引を行うのがベストだと思います。

5.初心者向け「株のはなし」(超重要)権利確定日と権利落日

株式投資の魅力である、株主優待や配当金をもらうためにとても重要なので、知っておいてほしいことをお伝えします。

 

株主優待や配当金をもらうためには、権利確定日に株を保有している必要があります。

 

では、権利確定日はいつかというと、企業ごとに異なるので投資したい企業の権利確定日がいつかを投資する前に把握しておく必要があります。

 

ちなみに、牛丼の吉野家ホールディングスの場合(2015年時点)、2月末日、8月末日に100株保有している人を対象に、300円食事券x10枚送付しています。食事券の有効期限は1年間で非常に使い勝手がいいです。食事券の優待については、年2回権利確定日があるということですね。

 

ここで、注意が必要なのは、証券会社で株を注文し、取引が成立した日にちには株の受け渡しがなされません。成立した日にちを含めて4営業日後にはじめて取引が成立します。

 

吉野家の2月の株主優待をほしいなら、2月末日に取引きが成立しても、権利はもらえません。2月末日の3営業日前に購入しておかなくては権利を得ることができないのです。この日にちのことを権利付き最終日(権利取り日)といいます。

 

株主優待や配当を得るには、権利付き最終日に株を保有しているかがポイントですので、くれぐれも注意してください。ちなみに最近では企業の株主優待の権利付き最終日を月ごとに特集している証券会社が多いので、ご参考にしてみてください。

 

ちなみに、権利付き最終日近くになると株価が高騰する場合があります。これは、株主優待や配当が魅力的な企業に多い現象です。逆に権利月最終日の翌日(権利落ち日といいます)には、株主優待の権利を得た人たちが株を売却するため株価が下がる場合があります。

 

権利付最終日に高騰した株価をかってしまって、権利落ち日に下落した株価で売却すると、株主優待や配当を考慮しても、損してしまう場合がありますので権利付最終日付近で高騰している場合は、注意が必要です。

 

【おさらい】

権利確定日:配当や株主優待など権利をもらえることが確定する日

 

権利付き最終日(権利取り日):権利確定日の3営業日前。配当や株主優待を得るために株を保有しておく必要がある日

6.初心者向け「株のはなし」日経平均株価やTOPIXについて

<日経平均株価とTOPIXについて>

 

毎日ニュースで、今日の日経平均株価とTOPIXの数値が報道されていますので、みなさん聞いたことはあると思います。投資を始めるにあたっては、強く意識する必要があると思いますのでご紹介します。

 

〇「日経平均株価」

 

東証1部上場企業の中から225の銘柄を選びだし、ダウ式平均法を用いて算出した指標のことをいいます。企業ごとに発行株式数や単元株が異なっているため、単純に225の銘柄の株価を合算して225で割っている単純平均ではなく株式分割などの補正を行い算出しています。

 

知っておいてほしいイメージとしては、「数字が上がれば相場の調子がいい→景気がよくなっている」つまり、相場全体の流れを読み取る指標と理解していただければいいと思います。

 

日経平均株価に選定されている銘柄は、

銀行、証券会社、繊維、鉄鋼業、パルプ・紙、海運、石油、ゴム、造船、水産、陸運、ガス、鉱業、空運、倉庫・運輸関連、電力、サービス業、情報・通信、化学工業、機械、非鉄金属・金属製品、食品、銀行、窯業、自動車・自動車部品、

医薬品、建設、鉄道、商社、精密機器

保険、小売業、不動産、証券、電気機器といった業種の中から

活発に取引きがされている企業で構成されています。

 

トヨタ自動車やNTTなど有名企業ばかりですが、

 

随時入れ替えがありますので、日経平均株価に組み込まれる予想がされている企業が実際に組み込まれると、株価があがる傾向にあります。入れ替えの時期に、組み込まれると予想されている企業に対して投資しておくと、組み込まれた際に利益を得やすいです。

 

   

〇「TOPIX」(東証株価指数)

 

東証1部上場企業すべての時価総額の合計を全銘柄で割って算定しています。

 

企業の時価総額とは「株価×発行済み株式数」です。なので、TOPIXは、時価総額の高い企業の株価の増減の影響を受けやすいです。1968年の41日を“100”という基準にして算出しています。

 

やはり、イメージとしては「数字が上がれば相場の調子がいい→景気がよくなっている」つまり、相場全体の流れを読み取る指標と理解していただければいいと思います。

 

1企業の株価は人気投票と同じで買う人が多ければあがるというお話をしましたが、この日経平均株価も、TOPIXもおなじイメージで、日本の企業全体に対して

「買う人の方が多ければ上がり」「売る人の方が多ければ下がる」という事になります。日経平均株価やTOPIXの上がり下がりに連動した投資信託は、日経平均株価とTOPIXが毎日ニュースで必ず報道されるので、、キャッチアップしやすく、人気の商品となっています。

 

 

株に投資を行うなら、日経平均株価やTOPIXを意識してくださいね。

7.長期間応援できると思える企業に投資しよう

僕は株式投資についてルールを決めています。

それは、30年間応援し続けたいと思える企業に対して投資することです。

 

これは投資した株が、常に購入価額を上回っていることがあり得ないことから、損をしている時期に、心穏やかでいるためです。

 

常に購入価額を上回っていない理由は以下です

〇株の学校を開いていて、生徒をたくさんとっている先生が、結局のところ上がるか下がるかなんてわからないとおっしゃっていたこと(笑)

 

〇インサイダー取引をして逮捕された人たち(内部情報をもとに株式取引をしてしまった人たち)ですら必ずしも儲かっていたわけではないという事実があること

 

〇ライブドアショックやリーマンショックのような株価の急落は今後も起こりうること

 

30年間応援すると決めた企業なら、不祥事でもないかぎり、業績が悪化していて、株価が低迷しているときには、当初購入した価格よりも安くで買い増しをすることで、取得に要した平均単価を下げることもできます。慌てて投げ売りしてしまうこともないです。

 

 

30年間応援し続けたいと思える投資の判断基準を明確に決めることがとても重要だと思います。